最近の企業に問われるものとは?④
今年度弊社では、年頭の挨拶で「企業内コンプライアンス」に力を入れていくことを宣言しています。
この「コンプライアンス」ですが、一般的には「法令遵守」と訳される為、法令だけを守っていれば良いという誤解を招きがちです。
しかし法令と言うのは最低限の道徳・最低レベルのルールであって、これを守ることはわざわざ企業が宣言するまでもないことです。
では企業における「コンプライアンス」とは何なのでしょう。
例えば、スーパー等の建物では通路の幅であるとか照明の明るさ・数、避難経路の確保・スプリンクラーの設置数等・・・色々なことが法令で定められています。
もし火災が起きた時、法令通りの通路幅でスプリンクラーも規定通りに設置していたのだから「きちんとした責任は果たしていた」と言えるのでしょうか。
その地域が車いすのお客様が多いところであれば通路幅はもっと広くとっておくべきだったでしょうし、年配者が多ければ非常灯の数を増やしたり、延焼を食い止める・遅くするためにスプリンクラーの数も増やすべきだったでしょう。
これは一側面からの例でしたが、要するに企業は相手の期待・要望に応えなくてはいけない。
これこそが企業に求められている「コンプライアンス」なのではないでしょうか。
ではこの相手とは誰なのでしょう。
その相手とはステークホルダー(利害関係者)、つまり消費者・従業員・取引先・株主・社会と言うことになると思います。
消費者に対しては、企業と共に事業を成り立たせているパートナーである様々な取引先とも連携をとることが大切になります。
取引先に対するコンプライアンスは、最終的には消費者の期待に繋がっていく正の連鎖と言えます。
正の連鎖の中では取引先だけではなく従業員の意識も大切になってきます。
これからの企業は「コンプライアンス」を「規制」と捉えるのではなく、従業員も取引先も含め、企業のDNAと考えて取り組んでいくこと大切なのではないでしょうか。